薬理学の必読医学書を4冊紹介する.
薬理学を学ぶためには避けて通れない医学書・解説書ばかりをピックアップした.
Contents
『イラストレイテッド薬理学 原書6版 (リッピンコットシリーズ)』
本書は,薬理学の重要事項を簡潔な記述とイラストにより理解でき,視覚的に印象に残るよう工夫されたテキストである.
重要事項のポイントを理解し,整理するのに便利である.また,章末の練習問題が理解の確認に有用である.必ず練習問題を解いて,理解度を確認しながら読み進めていってほしい.
この本は,USMLE(米国医師国家試験)対策本としても,積極的に用いられている.
『ハーバード大学講義テキスト 臨床薬理学 原書3版』
症例から薬理学を学ぶという,これまでの教科書とはまったく異なる新しいスタイルの教科書である.
ハーバード大学医学部の「教員と学生の共同作業」によってつくられた「革新的教科書」ともいえる.
症例の病態を生理,病態生理,生化学等の観点から整理したうえで,薬物の作用機序を示している点が本書の特徴である.
本書からは,臨床で薬物がどのように選択・使用されるかを理解してほしい.
この『臨床薬理学』に関しては,できれば原書(英語版)にも挑戦してほしい.
『NEW薬理学 改訂6版』
従来の基本事項に新しい知見を加え,図表を効果的に使ってコンパク卜にまとめられた薬理学の教科書である.
本書では,分子レベルの新しい知見をもとに,「薬学の作用機序」をしっかり学んでほしい.
各分野の専門家が分担執筆しており,薬理学全般を網羅した教科書として信頼がある.
医師国家試験のための復習やまとめの助けにもなる.ただ,初学者にとっては説明不足と思われる点もあるので,注意が必要である.
『ストール精神薬理学エセンシャルズ 神経科学的基礎と応用 第4版』
複雑なため敬遠されがちな精神薬理学の基礎体系を,執筆者Stahlの個性豊かな解説文とわかりやすい図解により,単純明快に説明した人気抜群の書籍の改訂4版.
全般の組み立てを見直し,初歩の神経科学の多くを臨床の章に取りまとめるなど内容を選り抜き,これまで以上に読みこなしやすくなった.
カラーの図は格段に改善が施され,解説文と一緒になって精神薬理の構造を習得できるようにアレンジされている.
臨床医、レジデント、研究者必読の書と言われている。