神経内科領域の複雑なさまざまな病気を診るにあたっては,日頃からプラクティカルにその病態を説明できる力を身につける努力が必要である.
そのための基礎を身につけるための神経内科学の必読書を3冊紹介する.
Contents
『神経内科ハンドブック 第5版:鑑別診断と治療』
本書は,神経内科医が診るであろう疾患のすべてが網羅されている.神経内科の診察の仕方も書かれているため臨床に役立つ.
また,脳の解剖に関しても丁寧に解説されているので,大変参考になる書籍である.
『内科学書 改訂第8版』(全7巻)
本書は,内科学全般を扱っているが,特に第6巻に掲載されている神経内科に関する記述は詳細で,図表が豊富でわかりやすい.
また,神経内科疾患のより詳細な病態を把握するのにも役立ててほしい.該当部分の図表を利用すれば,疾患の内容を理解するのに役立つだろう.
『いきなり名医!パーキンソン病Q&A―押さえておきたいポイント33 (jmed mook)』
本書は,特にパ一キンソン病に興味-閨心のある学生や一般人,さらには開業医にも役立つように,とてもわかりやすく書かれている.
実際にBSL(Bed Side Learning:臨床実習)で学生たちが診るであろうパーキンソン病患者,または外来で診るであろうパーキンソン病患者の具体的な治療の仕方がきわめて簡潔に書かれている.
なお本書は,筆者の服部氏が所属する順天堂大学医学部は,特に神経学の歴史が古く,神経学の臨床・患者数は日本一多い.パーキンソン病の患者数だけでなく,神経免疫疾患の患者数も,おそらく日本有数であろう.
そういった神経内科領域の複雑なさまざまな病気を診るにあたって,学生や研修医,あるいは神経内科のなかにあっても変性疾患に興味のある先生方に理解を深めてほしいというのが,本書が編集された経緯・理由である.