小児科学は,総合診療科的な幅広い知識が必要である.
さらに,小児に特有とされる成長や発達のことを常に念頭に置き,未熟児・新生児から思春期に至るまでの子どもたちを診ていかなくてはならない.
ここでは,小児科のドクターに必要な広範囲の知識を得ることができる3冊の必読書を紹介する.
『小児科学改訂第10版』
本書は,医学生が学ぶべき小児科学の全ての知識,すなわち病態生理から社会医学的知見まで包括的に網羅している.
研修医あるいは小児科専門医においても,小児科の知識を十分に修得するのに役立つバイブル的な教科書である.まずは,しっかり読み込んでほしい.
最近の学生は定番の教科書をもたず,問題集とその解説書のみで進級試馬贪や卒業試験,あるいは国家試験に臨むことが多いといわれている.
試験問題などの解説で理解が十分できない場合,内容の充実している本書から,その理解に役立つ知識を得ることができる.
『講義録小児科学』
本書は,現代の医学生が教科書に求める見やすさ,理解しやすさを十分に意識して編集された,理想的な医学生のための教科書である.
本書からは,試験の前に修得した知識,特に小児の成長や発達過程など,覚えることが難しい知識を整理して,学ぶことができる.
『小児科学・新生児学テキス卜第5版』
本書は,小児科学とは別立てで新生児学の項目が充実しており,カラー写真や図表を多く取り入れることで,わかりやすくまた研修医にも役立つ教科書となっている.
特に,新生児学についての十分な知識を修得することができ,比較的出題範囲の広い新生児学に対応することが可能である.